2012年01月30日

【M361】祝!デッサン教室第100回

デッサン教室0130.jpg









工事中

ニックネーム 青モンテ at 23:08| Comment(0) | 美術道場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月27日

【M359】暇つぶしにレンタル2本

日経「シネマ万華鏡」で高い評価になるのは兎角ミニシアターで上映される映画、DVDになるのは半年くらい後になるため、タイトルを忘れていることが殆ど。そこで、レンタルショップでの借り出し時は、ケースの表面に(誇らしげに)記載されている「OO賞受賞、XX賞ノミネート」などの情報を頼りにしているのが実情(これと言った好みのジャンルがないものには、当り外れの少ないことが一番)。

【木洩れ日の家で】2007ポーランド、トリエステなど各国映画祭受賞多数(2011.4日本公開)

木洩れ日の家で.jpg ポーランド、ワルシャワ郊外の古い屋敷でひとり暮らす91歳のアニェラは、長くない余生ですべきことを考える。若き日の甘い思い出や幼き日の息子の愛らしい姿を回想するが、一方で静かな生活をかき乱す現在の息子夫婦や隣人たちとの関係から、アニェラは自らの望みをかなえるため、ある決断をする。
 撮影当時91歳のポーランドの伝説的名女優ダヌタ・シャフラルスカのためにドロタ・ケンジェジャフスカ監督が書き下ろした脚本はユーモアに満ち、普遍的な生と死を滋味豊かに描き出す。モノクロームでありながら光と色彩をたっぷりと感じさせる美しい映像は、名カメラマンで製作も兼ねた監督の夫アルトゥル・ラインハルトによるもの。
 ガラス越しの視点や主演女優と愛犬の豊かな表情に魅せられる。特に愛犬フィラは助演賞を与えたいほどの演技力だった!  【評価】☆☆☆☆

【バビロンの陽光】2010イラク、ベルリン映画祭アムネスティ賞受賞(2011.6日本公開)
フセイン政権崩壊直後のイラクを舞台に、戦地から戻らない父親を探して旅をする少年と祖母の姿を描く人間ドラマ。祖母と少年、現地の一般人を主要キャストに配したリアリティに感動!

バビロンの陽光.jpg 最後の字幕で、「イラクの過去40年の行方不明者は百万人以上。2009年までに300の集団墓地で15〜25万の遺体が見つかる。その多くは身元不明のままである」とのテロップが静かに流れると、この映画のリアリティが一段と強まる。

 2003年、イラク北部。フセイン政権の崩壊から3週間後のイラク北部クルド人地区、12歳の少年アームドは祖母と共に旅に出る。祖母は、戦犯として収監されていた人々が南部で生存しているとの噂を聞きつけ、行方不明になったままの息子、すなわちアームドの父を探しに行くことを決めたのだ。生後間もなかったため父親の顔さえ知らないアーメッドにとって、親子を繋ぐのは父親が残した縦笛だけだった。
 わずかな現金しか持たない2人は、バスを乗り継ぎヒッチハイクしながら、荒涼と広がる砂漠の中を進んでいく。心に深い傷を負いながら生きる人々との出会い、そして別れを繰り返す。2人は過酷なイラクの現状に押しつぶされそうになりながら、空中庭園の伝説で知られる古都バビロンを目指し、900キロの旅路を行く。そして2人に、運命の瞬間が訪れる。  【評価】 ☆☆☆☆

ニックネーム 青モンテ at 16:46| Comment(0) | シネマ&ステージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月25日

【M358】「パリへ渡った『石橋コレクション』1962年、春」@ブリヂストン美術館

今日は我が6X歳の誕生日、もともとは大月会ゴルフを予定していたのだが、不謹慎を諌める?積雪でコースがクローズ。急遽同窓会の講演会参加に切り替えた、さらに文化的香りを求めて最寄りのブリヂストン美術館(開館60周年を記念して「パリへ渡った『石橋コレクション』1962年、春展」を開催中)に足を延ばした。

2時40分、帰ろうとしたところに、「3時から学芸員に拠るギャラリートークがあります」との館内放送、急ぐ旅でもないので、40分ほど、うら若き学芸員のトークに聞き入った?いや見入った!

ブリヂストン美術館−1.jpg今からちょうど50年前、当館の開館10年目にあたる1962(昭和37)年に、パリ国立近代美術館において初めて「石橋コレクション」を海外で紹介する展覧会「東京石橋コレクション所蔵─コローからブラックに至るフランス絵画展」が開催された。親日家であった当時のパリ国立近代美術館副館長ベルナール・ドリヴァルの発案により実現したこの展覧会。今回はその時出展の50点が展示されている。

・彼の地では、「イタリアの女」コロー、「菜園」ピサロ、「オペラ座の仮装舞踏会」マネ、「帽子をかぶった自画像」「サント=ヴィクトワール山・・」セザンヌ、「若い女の顔」ゴーガン、「両腕をあげたオダリスク」マティス、「女の顔」ピカソ、などが人気を博したようだ。
ブリヂストン美術館ー2.jpg・画家別に見ると、マティス5点、モネ、セザンヌ、ボナール4点、キュビスムでないピカソ3点やブラック1点、などコレクターの好みが明白。石橋氏は輝く絵、明るく落ち着いた作品を好んだらしい。ピカソの「女の顔」(チラシ、キュビスム以降の作品)は、節目の冊子の表紙を何度か飾った同氏お気に入りの作品とか。
・何点かのパネルによる展示作品、これらは現在どこに所蔵されているのか不明なため、50点を補うべくパネルで展示したもの。
・トークが終わって常設展示会場を鑑賞した。パリ開催から50年を経て、当館が如何なるフィロソフィーでコレクションを行ってきたかを知る機会となった。二代目館長によるピカソ「腕を組んですわるサルタンバンク」の購入経緯などにも当館の歴史が秘められていた。

そうそう、常設コーナーでは久々に「カンデンスキー」と「クレー」の作品(写真下:右側)にお目にかかった、勿論親しく挨拶を交わした!?
ブリヂストン美術館の今後益々の発展を祈り、誕生日の記念行事を滞りなく終えて家路に急いだ。


ニックネーム 青モンテ at 21:51| Comment(1) | アートの散歩道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【M357】「佐幕派の漱石」講師:平岡敏夫氏

2012年1月度例会。講師は1930年生まれ82歳!筑波大学名誉教授、群馬県立女子大学元学長
日本近代文学の研究者。北村透谷研究の権威だが、夏目漱石、特に『坊っちゃん』論に、左幕派が敗れる物語を読み込んだことでも知られる。

今回のタイトルはズバリ「佐幕派の漱石」、漱石の魅力だろう今日は女性の参加者が目立った。
「凄い!名前、年号、ストーリーの記憶力や話題の深堀に講師の持つ見識の高さや造詣の深さを感じる。“笑い”をとる話術、間合いの取り方が絶妙」とメモの走り書き。

三日月会0125.jpg今回は「漱石」を「佐幕派」という視点から捉えた興味深い講演内容。
漱石の博士問題(国からの博士号はいらない)に見る佐幕派説:
博士に表象される権威・権力・支配体制への反骨(コンプレックス)が形成されたのは明治17年官吏非職条例が発せられた時期、警視属という幕藩体制の重要な役割を担っていた漱石の父直克は、薩長藩閥政府によって免職となった。ここから漱石の佐幕派意識は堅固なものとなり、独自の文学、例えば「坊ちゃん」を産む。言うなれば「坊っちゃん」は左幕派小説。

因みに、佐幕派(幕府を佐(たす)ける側)及びその子弟は、薩摩・長州政権によって圧迫された。漱石、一葉・透谷・独歩すべて父は佐幕派である(vs薩長からは文学者は出ていない)。
「坊っちゃん」はユーモア小説と言われるが、実は涙なくしては読めない、悲しい悲しい物語なのであると、その「坊っちゃん」試論で新しい評価を下した。

「こころ」−佐幕派的なものの終結:
「門」の宗助を経て、「彼岸過迄」の須永、「行人」の一郎、「こころ」のK,先生、そして青年「私」、彼らの反権力的なエートス(気質)は内攻して、反逆というよりは、「(この世で支配的な価値観)に対し必ずしもイクールでない」生き方となっている。それを受け容れるよりも、(佐幕派的に)生きたその生涯を自ら閉じた。明治の終焉に際しての佐幕派的なるものの終結と捉える。

改めて「坊っちゃん」を読んでみようかと思っても見た。


ニックネーム 青モンテ at 21:44| Comment(0) | 生涯学習の広場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月24日

【M356】陶朋会第57回

7:40 何時も作陶日に駅前でピックアップしてもらうMさんから、「昨夜の雪でガレージの前が凍っており1時間ほど遅く出発したい」との電話。今日は素焼きの最終日、窯入れの当番になっていることもあり、「ではバスで一足先に行きます」と回答して、何時ものバス利用時よりは20分ばかり遅れて自宅を飛び出した。この1週間最終の追い込みで制作した、(襟巻)花瓶(タタラ、またひび割れができた)、ぐい呑み(紐作り)、焼酎カップ(タタラ)、の3点を携えて・・

陶芸0124.jpg町田のバスターミナルに着いてビックリ、延々とバスを待つ長い行列が出来ていた。6年振りとなる積雪(写真上側:スタジオ周辺)、雪道が最悪の渋滞を引き起こしていたようだ、乗車してそれを痛感することに・・
待つこと30分余り、やっと乗車できた。ところがターミナルを出るまでに15分、街中を抜けるまでに更に30分、そして動き出したと思ったら町田街道に出た途端ピタッと止まってしまった。それやこれやで何時もは30分で着くところ、実に2時間も車中の人だった。
バス停から雪道を徒歩10分ほど、10時40分にスタジオに入ると、既にお願いしていた代わりのメンバーと先生が窯入れの最終段階、「他にありませんかー」と呼びかけているところだった。ひび割れの修理もせず、急かされて窯の空きスペースに入れてもらった。今朝は、まさに「貧すれば鈍する」、卒業作品もどうなることやら・・
(当のMさんと言えば、やはり町田街道で立ち往生だったそうで、到着時には既に窯の扉は締められており、持参の作品は素焼きが出来ず仕舞い)。

素焼き第一弾の作品チェック(写真下側の3点)、時間も押しており、花瓶と合掌地蔵に施釉(土灰)。
「地蔵の顔面にあまり釉薬を付けると、目や口元の線が消えるから注意するように」と先生に言われながら、スポンジで拭けばいいものを布で拭いてはまた釉薬を付けるお粗末な作業ぶり。
バタバタした時こそ意識的にゆっくりやるべきだったのに、後の後悔、先に立たず!

こんなレベルで3年制の当会を卒業するかと思うと、情けなさと恥ずかしさが集大成の1日だった。


ニックネーム 青モンテ at 15:16| Comment(0) | 陶芸入門 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月23日

【M355】「COMTEN会」@土間土間 / 渋谷

「当時のCOMTEN関係者で懇親会をやりたいのだが出席できますか」とアマキンさんから問い合わせがきたのが1月11日、「いいよ」と答える間も置かぬ早さで、今日23日開催の運びとなった。
リタイアして5年半、この期に及んでお誘いとは、嬉しさを押し隠して参加した。

COMTENとは、S60年前後にあったシステム更改時、それぞれ業務を担当するNR社、NE社、I社、のメインフレーム間で受け渡しするデータを管理する「中継システム」、新しくインターフェースのアーキテクチャーを組み入れていた。
COMTEN関係のスタッフは各社のエンジニアと打ち合わせを重ね、と言うよりも「あっちで叩かれ、こっちでぶたれる存在」だった。全体の進捗を見る立場からすると、どうしても一番遅れる位置づけにあり、否応なしにこのチームに苦言を呈すことも多かった。最後にはメーカーの本拠地ミネソタ・セントポールまで開発のスピードアップ要請に出張したことも・・懐かしい。

COMTEN会−2.jpg今日初回は、COMTEN側4名、I社関連のメンバー3名、プラス私、計8名が顔を合わせるお膳立てだった。
乾杯と同時に、一瞬にして27、28年前の当時の舞台環境が出来上がった。当時のヤリトリを手探りで話すところから始まり、やがてお互いの苦労話に労いを述べ合い、最後には「新システムが無事カットオーバーできてよかったね!」と全員が充実した日々だったことを再認識したようだった。
次回はNE社、いやNR社のメンバーを呼ぼう、などと次回以降の段取りに話題は移って行った。

居酒屋を出た渋谷はかなり強い雨だったが、地元駅を降りると雪に変わっていた。久し振りのメンバーに拠って芯まで温まった身体は、横殴りの雪くらいで冷えるものではなかった!


ニックネーム 青モンテ at 15:13| Comment(0) | 生活フラッシュ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月21日

【M354】「世界でたった1冊の本」第9巻

第9巻は2011.5〜2011.12、181件を収録、件数、頁/件数、円/件数が高記録となった(効率化=節約、ほんのちょっぴり)。通期では、月平均1,132円の出費、多い?少ない?
昨今、当出版社では表紙に写真を載せるサービスも可能。節目の10巻目となる次冊、表看板の趣を少し変えてみようかと目論んでいる。
ブログ製本9.jpg
   (製本日)   記事数   頁数 頁/件   製本代   円/件
第1巻(2007.3)   100    172 1.72   7,098円 71円
第2巻(2007.10)   140    186 1.33   7,774円 56円
第3巻(2008.6)   160    222 1.39   8,998円  56円
第4巻(2009.1)   149    202 1.36   8,386円  56円
第5巻(2009.8)   153    192 1.25   7,978円  52円
第6巻(2010.3)   157    228 1.45   9,200円  59円
第7巻(2010.9)   141    192 1.36   8,012円  57円
第8巻(2011.4)   160    216 1.35   8,828円  55円
第9巻(2012.1)   181    203 1.12   8,420円  47円 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
             1,341   1,813 1.35  74,694円 56円


ニックネーム 青モンテ at 11:53| Comment(0) | Book World | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月20日

【M353】第8回「継志会」@BK会館

例年11月に開催の本会、会場手配の手違いがあって年明けの新年会になった。会場のBK会館と言えば近々移転が予定されているとか、20代後半の東京出張時の宿泊や東京転勤で家族が数日寝泊まりしたことなど思い出は尽きない。

数えて8回目、現役メンバーの尽力もあって36名の参加(都合での欠席3名)、ここ3回は30名後半で推移している(尤も、参加者数も然ることながら継続していることが嬉しい)。今回は4名の顔ぶれが新たに加わる一方、元気かなと顔が見えないOBに思いを馳せることも。
現役時代だったら「仕事中にアルバイトをして」と幹事に嫌みの一つも言いそうなほど準備万端、円熟味を増した今!?は心から感謝である。

s-継志会0120−1.jpg冒頭先日逝去したSさんを偲んで全員で黙とうした。「前回Sさんが体調もあり、これが最後の出席になるかもと言われていた」との幹事の言葉が改めて心を打つ。
会長Sさんの挨拶、喜寿を迎える年、金婚式の年、と節目となる今年の紹介の流れで、ぼつぼつ客分扱いにしてほしいとの要請、何時も矍鑠とした様子で参加され、やはり皆が仰ぎ見る存在なのだが・・
乾杯の音頭を指名された小生、「昔を懐かしむ会、健康を確かめ合う会、いろいろあるが、継志会は私にとって、J社OBとして胸を張れる生き方をしているかを問う機会です」と些か訳の分からぬ前置きをして「乾杯」。

昨今はJ社の業績についての情報はトンと入らなくなったが、飲み食いしながら話すうちに、厳しい経済環境にあっても皆が頑張っている様子は伝わってきた。協働の精神は揺るぎないなと安心する。
ここ2年ほどは信頼に足る役員が揃っているが、次の世代とのギャップが少し気になった。ただ昔から組織は何とか乗り切ってきたなと思い直して歓談を楽しんだ。


ニックネーム 青モンテ at 22:16| Comment(0) | 生活フラッシュ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月19日

【M352】小説を読むことが減って・・その中で手にした2冊

読書の集中力に陰り?が出てきたのは事実だが、図書館の予約が昨年10月からMax20冊が10冊になって他の書物との兼ね合いで小説への割り振りが減ったことも原因かと←言い訳!

【幸福な生活】百田尚樹(祥伝社)2011.6
『人間はいろいろ秘密を持っていますよね。凄く好きな人がいて、その人の全てを知りたくても、全部を知ったら、えらいことになりますよね。長い間生活する中で、秘密がひょいっと顔を出すときの怖さってあると思います。その怖さを書いてみようと』と著者。
s-幸福な生活.jpg サスペンス、ファンタジー、ホラー・・様々な18話の物語、各話の終わりに頁をめくると、最後の1行が(ドキッとさせられる衝撃的な台詞で)出てくる。そのドキッとするどんでん返し!?が新鮮で読み出したら止まらなくなった。

冒頭の『母の記憶』は、認知症が進んで空想と記憶がごっちゃになっている母と、それを不憫に思いながら見守る息子の対話。『そっくりさん』は、寝言で男の名前を愛しげに呼ぶ夫を、ホモかもしれないと疑っている妻。『残りもの』では、ろくな男が残っていないと結婚を諦めかけていたアラフォー女性が、理想的な男性と運命的に巡り会い、幸せの絶頂に浮かれている、など。
 帯にある書店員の評、「えっ!!おー。へぇ〜。と感嘆句が次々と出てくる。」「何だか人間の怖さをまざまざ見せつけられた」に全く同感!著者の意図(毒)は十分に効いている。

【春告げ坂ー小石川診療記】安住洋子(新潮社)2011.11
敬意を払う縄田一男氏が肩入れ!?する作家の一人。今回も本の帯に「いま、安住洋子作品の頂点を前に、私は心の震えをとめることが出来ない」と大絶賛、尤もこの手合いでこれまで同作家の「日無坂」「いさご波」などを読んで来た。
推奨株のもう一人、葉室麟氏が第146回直木賞を受賞した(1月17日発表)。縄田信仰を続ける!?

s-春告げ坂.jpg縄田氏は『この作品で優れているのは、作者が人間の死の場面を描く際にもっともらしい愁嘆場をつくっていない点である。こういう時は、書き手は作中人物に対して残酷にならなくてはならない。つまり、読者が泣く前に作者が情に溺れてしまうと、死の荘厳さは失われてしまうのだ。作者はこれを完璧なまでにこなし、第3話「夕虹」の手習い所の先生の死の場面には完全にやられた』と褒め千切るのだが、死の場面が清らか過ぎるのか、皮相的に流れて行くようで読者として荘厳さが心に残らなかった。読者の未熟か?

舞台となるのは小石川養生所。が、決してTV時代劇に見るようなユートピアではない。看護人の質は悪く、薬料にも限りがある。
思うに任せない坂の上の養生所で仲間たちと奮闘する医師・高橋淳之祐。
養子として引き取ってくれた高橋の家を出て三年、やりがいのある仕事に就けてよかったと思っている。今は日々の診察に追われ、一人でも病に苦しむ人を助けるために自分の力を出し切ることで精一杯だが、「坂を上るのは少しも苦痛ではない」と志を同じくする仲間たちと改善を図る努力を怠らず成長してゆく。そして思いもよらぬ形で父の死の真相を知った時、彼の前に進むべき道が現れる。


ニックネーム 青モンテ at 17:26| Comment(0) | Book World | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする